きみの愛したナニカの像

あああ。
踊る大捜査線スピンオフドラマ「弁護士灰島秀樹」の放映に際して書くスペースです。
書くの忘れてたわー。

ということで内容。
[引用元]wikipedia
[引用]
2006年3月。灰島法律事務所を取り仕切る若きやり手弁護士・灰島秀樹のもとへ、ある日1人の男が弁護の依頼にやってきた。男の名は瀬籐賢三、千葉県の県議会議員。国と千葉県が進める「東京湾海洋博覧会」の開催予定地として千葉県・神ヶ浦町が選ばれたが、現地の環境保護を訴え地元の住民達は反対。国を相手取り計画取り消しを求める裁判を起こすも、住民達の訴えは第1審で退けられてしまった。瀬籐はその上訴審の弁護を灰島に依頼するが、灰島らは見返りの報酬が期待できないとして依頼を一旦断る。
しかしその直後、IT関連企業社長・速水龍人から別の依頼が舞い込んだ。速水が進めるテーマパーク計画の予定地が先の海洋博覧会予定地と重なっているため、速水は1億円の報酬をちらつかせ、秘密裏に博覧会計画を潰すよう灰島に求めてきた。

速水の依頼を快諾した灰島法律事務所は、神ヶ浦町住民達の依頼を引き受ける振りをし、環境保護運動を盾に世論を味方に付け、海洋博覧会を中止に追い込むシナリオを企てる。
[以上引用]

「容疑者室井慎慎次」のときはただキルゲーやってる危ない弁護士だった灰島なわけですが、今作で主人公として取り上げられることについては疑問視する方も大勢いました。
というのも、「室井」では室井を陥れる張本人として登場するにも係わらず、依頼主は別に居て、灰島本人も自らの発言に足元を掬われ収束する、というキャラ的にはチョイ役の人だったわけでございます。

しかし演じた俳優はあの八嶋智人なわけで。
脚本的には小さく収束していくしかない小人物としてしか描かれなかった灰島ですが、八嶋さんの演技によってそれはそれは生き生きとした変態っぷりが描かれてしまったわけで、「容疑者室井」の登場人物においてもインパクトの高さは侮れないキャラになってしまっていたと思います。
"訴訟パラノイア"と評される、勝つためには手段を選ばないというある意味「有能な」手腕と、ゲームの勝ち負けにこだわるようにしか事件を扱えない未発達な自我のアンバランスさが、ただの脇役でしかなかった「室井」においても十分に描かれていたのが灰島秀樹のキャラクターだと感じたわけで。

今回のドラマでは灰島の「歪み」の原因と、灰島自身のスタンスの崩壊危機というのが主に描かれた点で、「踊る」のドラマとしてはかなり異色なものになったと思います。
室井が出ると聞いていたけど、出たのは沖田仁美(役・真矢みき)だったし。
また、見た人の中でも「この人についてドラマをつくる必要があったのか?」という声も多かったようです。
踊るに興味がなければもちろん、「室井」を見なければわからない話だったわけです。

が、評判は上々のようです。
視聴率16.8%。
理由としては、
・「踊る」とまったく関係ないからこそ、「踊る」を知らない人も「灰島」というひとりのキャラクターを楽しむことができた。
・「謎」を楽しむドラマではなく、灰島の手腕によって事件を収束させる型のドラマだったため、前後を硬く考える必要がなくただ登場人物のそれぞれのキャラクターを楽しめば良かった。
・八嶋智人初主演ドラマだった。
とかがあげられると思います。

新聞には「謎が浅くラストが予見できる内容だった」と書かれたりしていたんですが、室井でも言われていたように「謎」が大切なドラマじゃなかったのですね。
その謎に陥って真相に気づき、キャラクターがそれぞれどんなことをしたか、ということを楽しめるように作りこまれているわけで。

灰島は死んだ母に褒めてもらいたかったとずっと思い、母の夢を知りその夢の通り弁護士になって「勝ち続ける」ことが、母に褒めてもらえることだと思ってあんなキャラクターになったと描かれているわけですが、事件に巻き込まれた芦川淑子(石田ゆり子)が母にそっくりだったことから彼のシナリオが狂っていってしまいます。
依頼主を裏切らなければ淑子を助けることはできず、情に絆されて仕事を選んだことのなかった灰島は初めての葛藤にひどく悩みます。
そんな灰島に不信感を抱き、さらに灰島に恋心を抱いていた部下も淡い思いをぶち壊され(ドレスに死ぬほど笑った)、部下は灰島を一人よけて依頼主の依頼をかすめとってしまいます。
部下の筆頭は篠田(役・吹越満)で、篠田は淑子に灰島が淑子を騙そうとしていたこともぶちまけて、依頼主の依頼を遂行させることにまんまと成功するように見えるのですが。

淑子は灰島のことをいまだ裏切ったと思い込めずおろおろする中で、灰島はなんと淑子たちと反対勢力となる博覧会側の弁護士として現れ、テレビ局を会場に呼び入れて篠田たちの計画を暴露します。
慌てる篠田や住民を尻目に、灰島は淑子の息子を呼び、「博覧会そのものを否定するのではなく、自然のことを考える博覧会だったらやってほしい」という意見書を読ませ、住民側と博覧側の意見を初めて協議に持ち込み、テーマパークの依頼を見事ぶち壊すという「勝たない弁護」を行います。
そこで淑子に「誰のために弁護をしたの?」と灰島は問われ、自分のためでもなく母に似た淑子のためでもなく「母のためです」と一言答えて、淑子の息子に母がいる大切さを訥々と語って去っていくのでした。

しかし実はテレビ局は灰島の雇ったサクラで、灰島が情報収集にかけた金額は1億円。
灰島の事務所に戻ってきた篠田をはじめ部下たちが報酬を尋ねると、「2億円。知られてない裏金なんだってさ」という灰島の返事。
「勝っちゃった」と嬉しそうに言って部下たちに札束を渡す灰島のあとから、渡された札束を篠田が回収して、部下たちは何事もなかったかのように灰島の周囲に座りなおし、灰島ははしゃいでゲームをやりかけて篠田に取り上げられるのでした。

篠田いいよ篠田。
室井のときはその異様なキャラを生かしきれてなかったけど今回全開。
あと、灰島に食事に誘われて異様なドレスを披露するも、灰島に好かれていないことを悟って鬼女化する河野(役・松永玲子)かわいいよ河野。

個人的にはこのドラマのよさは、灰島の「母のためです」というひとつのセリフに尽きると思うなぁ。
そして彼は既に、母のために勝ち続けなければいけない弁護というひとつの次元を卒業して、自分の「勝ちたい」という衝動を満たすためのゲームという割り切り方でまた仲間と共に訴訟パラノイアの道を行くのだと思います。
ただそれだといい話で終わっちゃったはずなんだけど、ラストの部下との絡みがまた見た人を「ニヤリ」とさせる仲良し具合で、部下が離れていって「ひとりぼっちになっちゃった」といって寂しがっていた灰島がうそのようでまたなんか可愛いのでした。

私はデジ録取ったし、他の作品はほぼすべてDVDを持ってるのですが、今回のドラマはDVD発売未定だそうです。
見忘れた、見てみたかった、再度見直したいという人は要checkですネ。

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