[ 邪 魅 の 雫 ]

2回も記事を強制終了されたのでかなりがっかりしています。
京極夏彦「邪魅の雫」を読了いたしました。

個人的に京極堂シリーズ第一期「姑獲鳥の夏」~「塗仏の宴-宴の始末-」
第二期「陰摩羅鬼の瑕」~と思っているんですが。
第二期にはいってから、レギュラー陣の中を暴く内容ではなくなって第三者視点になり、内容にしても個人の限られた世界を開くものが多くなったためか、欝がこっちの世界にまで漏れているような気がして読むのが結構しんどくなってます。
あと、私が読んだ順がよくなかったのか「陰摩羅鬼~」→「百鬼徒然袋-風-」(ほぼ榎木津外伝)→「邪魅~」の順に読んだため、榎木津のバカたっぷりアホいっぱいの世界から一気に引きずり込まれたせいか、しんどさ当社比+30%の内容です。

今回の特筆
・犯人の最終的な犯行目的は、ここに書くとたぶん榎木津ファンが死ねるため書けません。
・榎木津の出番が破格に少なく、また振る舞いも一般人に近かったくらいですが、今回は彼の事件です。
・木場さんが最初に数ページしか出てこない。中禅寺細君・関口細君は描写のみ。
珍しく鳥口くんがまったく出てきませんでした。
・青木くんと益田くんの大活躍。益田の捜査エピソードの片鱗が「百鬼徒然袋-風-」にうっすら出てきていたので今回はそこしか笑いどころがないかも。
・「陰摩羅鬼~」の大鷹刑事の再登場。今回の彼は非常に不幸な描写をされ非常に不幸な終わりを遂げます。
印象が非常に薄い彼が今回の一人称の一部を務めますので「陰摩羅鬼~」の再読がいるかも。
・関口復活。一人称がないにも係わらず、欝の部分がなくなって「姑獲鳥~」の前半の関口に近い回復だと思います。「陰摩羅鬼~」より確実に回復しています。
相変わらず京極堂の愛に浸されて立ち直っています。
・京極堂の出番がかなり後ろのほうですが、この人も相変わらず重要な情報リソースを背負ってます。
例のあの元上司の変態おっさんとの確執(愛?)は続くようです。
・帝銀事件について調べておくといいかもしれません。
ここで参考資料を置こうとしたんですが、リンクを貼ろうとするとなぜか強制終了して書いた文書が全て失われたので置きません。呪いか?呪いなのか?
・今回も収束が非常に後ろの方で行われていますので、途中をまじめに読んで置かないと後で分からなくなりますが適当に読まないと体力続きません…。
・山下さん再登場。まるくなったらしい。
・石井さん再登場。このエピソードが後で生きてきます。
・次回作「鵺の碑」(ぬえのいしぶみ)。「ぬえ」という字が「鵺」ではなく空を使う方の常用ではない漢字です。発売未定。

総括すると、榎木津本人が係わっていない事件にも係わらず、榎木津のために起こされた事件と言っていいと思います。
真犯人には最後の10行で罰が下されています。
神である榎木津にはやはり全てが見えているのか、それともこんなことが容易に想像できたから榎木津は人間関係を捨てたのか。
また、旧帝国陸軍の恐ろしさの片鱗を抱えていた京極堂の怖さも健在です。
今回もまたレギュラー陣はあまりかかわりを持たず、第一期の雰囲気が好きだった私はちょっと寂しいわけですが、トリックとしては非常に甘い部類ではなかったかなと思います。
動機も犯人の名前も必ず目にするところにおいてありますし、人物の取り違えなどは想像できる範囲で留まっている気がします。
「魍魎~」で非常にショックを受けた私なので、あの規模のトリックに比べたら甘く見えてしまうのかも。
といっても「陰摩羅鬼~」のトリックもかなり斬新なものでしたから、やはり「邪魅~」に関しては「塗仏~」に繋がった「女郎蜘蛛~」のように中間エピソード的に捕らえるのが正しいのかもしれません。
次回作が出ないとなんとも言えませんけども。
限定装丁版を買ったことは非常に満足でございます。

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