[海外ドラマ] JEKYLL

どうしても書き残しておかなければ! という面白さのドラマを見た。
UK製作のミニドラマ「ジキル」。
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ジャンルとしてはホラー? サスペンス?
サイコパスが出てくるのでサイコサスペンスでもいいのかもしれない。
かのロバート・スティーブンソンの名作「ジキル博士とハイド氏」の続編として製作、と銘打ってはいるが
個人的にはこれはパロディでもありオマージュでもあると思う。
劇中に作家であるロバート・スティーブンソン本人を「罠の仕掛け役」として登場させたり、
そもそも主人公の祖先となったジキル博士を登場させるところは非常に俯瞰的な脚本だと思った。
[内容]
トム・ジャックマン博士は研究機関に勤めるごく普通の中年男。
愛妻のクレア、双子の息子たちに恵まれて平凡に暮らしているはずだったが、
夜な夜な自分に起こる異常な事態に気付いたトムは
夜を過ごすための一軒家を借り看護婦のキャスリンを雇い、
寝ている自分を録画監視するという生活を始める。
カメラの中に映っている凶暴で異常な自分、それを抑えきれない事実と恐怖に耐えかねたトムだったが
とうとう妻と子供にもその異常なもう一人の自分の存在を知られることとなり、
「家族を殺してしまう」という思いから逃亡する。
が、謎の組織がトムを追ってくる。
トムのもう一人の人格を目覚めさせるためなら何でもしようとする組織の存在と、
その組織を手引きしていたのが自分の長年の親友であるピーターだったことが判明する。
トムは寝ずに過ごすことでもう一人の自分を抑えようとするがそれも長く続くはずがなく、
妻に完全に知られた上に組織に囚われてしまうこととなる。
すなわちトム・ジャックマンがジキル、その彼の裏人格がハイドという配役。
妻のクレアは中盤から非常に食い込んでくるんだけど、
「発端」という回で何故ハイドが出現したかが明かされる。
クレアが不良に絡まれ目の前で辱めを受けるのを見ていたトムは何も出来ず、
その夜とうとうトムの体を乗っ取ってしまったハイドが不良を殺しに行くことで顕現する。
結局「ハイド」という人格の源は「家族を守りたい」というトムの羨望が抑圧となって、
サイコパス人格として出現したものだった。
トムを「パパ」と呼び子供のような無邪気さで行きずりの男女と関係を持ち、
「パパの子供たちを殺してやる」と呟くハイドはトムの家族を殺せない。
「組織」は最後まで謎のままなんだけど、キーとなる女性が出てくる。
一人は組織のトップ、「ミス・アタスン」。
謎の組織である「クレイン&アタスン」の取締役だ。
クローン技術で莫大な報酬を稼いでいる表家業、
裏家業はジキル博士をオリジンとしたクローンを重ねハイド氏の顕現を待つという邪悪なものだ。
「何故ハイド氏を待つのか?」という焦点については語られないものの、
エンディングで何となく分かるようになっている。
もう一人の女性は妻であるクレア。
クレアは夜な夜な出て行く「トム(人格はハイド)」が浮気でもしているのではないかと疑い、
女性探偵のミランダ、その助手のミンを雇って調べさせる。
結果的にミランダの調査からハイドの存在や組織に行き着き、
ミランダはほぼ完璧に近い推理で「ジキル博士がクローンを重ねられた結果、トムが成功例ではないか」
ということを言い当てるんだけど、
実はオリジンのジキル博士が愛したメイド「アリス」のクローンがクレア。
トムがクローンの結果であるというのは誤りで、
トムは「オリジンのジキルから生まれたハイドが女性遍歴を重ねることで生まれてしまった傍系の子孫」だった。
そんなトムに「ハイド」を生まれさせたのがクレア。
オリジンのジキル博士に「ハイド」を生まれさせたのがメイドのアリスで、
それがアリスのクローンであるクレアによってまた叶えられたことになる。
100年越しの愛というか、そこまで再現されていいのかよ的な脚本なんだけど
ハイドのキャラクターがどうしてもクレアに逆らえないという演出がそれを補強する。
ハイドの恐るべき感覚は良く分からない。
トムを消してしまおうともするし、逆にトムをいとおしみ哀れんだりもする。
家族に害を成すものは簡単に殺してしまう。
武器があれば武器で、武器がなければ自らの手や歯で。
息子を襲おうとするライオンですら噛み殺して遠くに投げてしまう。
クレアや子供のことは威嚇はしても殺さない。
組織に捕まり、ハイドを活性化させようとする組織の思惑通りトムが消えてしまっても、
クレアを殺そうと見せかけて逃がしてあげようとするやさしさがある。
「ハイド」についてはトムの母と名乗る女性がクレアに漏らす一言がある。
『ハイドは”愛”なのよ』と。
家族を守りたいトムにはそうする度胸や行動力がなく、
それを補うためにハイドが生まれたと考えると確かにそうなのかもしれない。
トムとハイド氏は分かれて生まれたけれど段々とひとつになっていく。
ハイドを恐れ戦おうとするトムと、それを脅かそうとするハイドという図式から、
トムの記憶を吸収したハイドが少し変わるところから段々と狂っていく。
トムはハイドを制御できるようになったし、ハイドはトムを必要だと考えるようになる。
それぞれが受けた外傷はそれぞれの人格が引き取ることになり、
ハイドが受けた傷をトムが受けることはない。
ラストはミス・アタスンがハイドを殺そうとする。
ミス・アタスンは「完璧なるハイド」を手に入れるために100年以上その顕現を待っていたし、
どうもトム(というかハイド)を殺したくないようだったが、
組織の脅威になるなら仕方がないと考えたようだ。
ミス・アタスンの部下には軍隊崩れの大佐が指揮する傭兵部隊がついていて、
とても逃げられる状況ではなくなる。
運悪くクレアは鉄格子に閉じ込められ、
その双子の息子は生命維持装置付きの箱に閉じ込められて
ミス・アタスンの命令で生命維持装置が切られてしまう。
ハイドはどんなに銃弾を受けても立ち上がり、息子たちの生命維持装置を戻そうとする。
その姿はちょっと異様なくらい執念に満ち溢れているんだけど、
普通の人間はそんなに撃たれて生きてたらゾンビですよというくらい弾を食らい、
ミス・アタスンに見放されてしまうのだ。
それを見ていた大佐は何故か心変わりしたようで、
倒れて死んでしまったようなハイドを見ながら生命維持装置を戻してくれる。
「いやあんな長い時間生命維持装置止まってたら普通死ぬって」という長さで閉じ込められていた双子たちは何故か無事。
クレアはてっきりトムが死んでしまったと思うんだけど、
「ハイドの傷はトムは受けない」という法則通りトムだけ生還する。
トムもクレアも恐らくハイドは死んでしまったのだと悟るが、
どうも双子の様子がおかしい。
クレアをじっと見つめる双子の片割れが
あのハイドそっくりに笑い、指を立ててウインクする。
ここで恐らく「ハイド2代目」が双子に分かれて遺伝したであろうということが伺える。
確かにトムはジキルの傍系なんだから、
「完璧なハイド」のジキルであるトムの子供がハイドである可能性は充分にあるよなあ…。
トムの傷も治りつつある日、
トムはどうやら「トムの母」を名乗っていた女性に会いにいく。
秀逸だと思ったのがこのエンディング。
トムの父はどう見てもジキルに似ていない白人男性だという写真が残っていた。
ジキル博士の子孫は本当にトムなのか、
と考えたとき「親は父親だけではない」ということに思い至る。
つまりは、「トムの母」がジキルの傍系であり、同じように多重人格者なのだった。
トムの母はつまりジキルであり、ハイドはあのミス・アタスン。
ミス・アタスンが組織を率いて「完璧なハイド」を捜し求めたのは、
結局自分が「トムの母のハイド」だったからということなのね。
トムのハイドのように、ミス・アタスンが牙を剥いて襲い掛かるところで暗転、スタッフロール。
このラストを見て思ったことは「ああ、また最初から見たいな」ということだった。
このドラマで特筆すべき点は、トム/ハイドを演じているジェームズ・ネスビットの演技のすばらしさ。
原作である「ジキル博士とハイド氏」は何度か映画化、ドラマ化されていて
勿論その中でもジキルとハイドは一人の俳優が演じる通例になっているようなんだけど、
ジェームズ・ネスビットの切り替えっぷりは非常に恐ろしかった。
トム・ジャックマンを演じるときは潤いのないくたびれたただのオッサンなのに、
ハイドに切り替わった瞬間若く、張りがあり、感情が分かりやすい男性に変貌する。
特殊メイクや外見の変更で誤魔化したりもしない。
同じ俳優なんだけど、その人格の切り替えでよくぞここまでというほど変わってしまう。
これは非常に見ごたえがあるし、本当に面白かった。
ジム・キャリーの「マスク」や、映画「コンスタンティン」に出てくるルシファーを演じたピーター・ストーメアのような快演だった。
こう、今まで見ていた地味な人間の顔の筋肉が
ぐにょーんと見たこともない方向へ動く感覚が楽しめると思う。
妻のクレア役はアメリカドラマ「レバレッジ」でソフィーという詐欺女優も演じていたジーナ・ベルマン。
痴女というわけではないんだけど、
どうも過剰にトムを誘惑したり泣き落とししたがるキャラクターだなと思っていたら
ハイドが現れてから恐ろしく急変。
あのハイドをビンタでぶったたき尻に敷く恐ろしい奥様になっている。
まあ彼女が一番気にかけていたことは「ハイドが手当たり次第に女漁りするときに避妊具を使っていたか」ってことらしいけど。
ハイドがニヤニヤしながら「俺はあんたの夫じゃないね。男根を共有してるだけさ」と煽っても
それがわたしの物だって言ってんのよ!」と逆ギレ。
いや…まあ何を誰が所有しようとも自由ですとも…。
総括するとシナリオとしてチープな割に非常によくできていて、
ああ面白かったなあと強く思わせてくれた逸品だと思う。
若干コメディー調になるところもあり、もしかするとこの辺は好みが分かれるかもしれない。
全6話のちいさめなドラマなので、
映画を見るには時間が余りドラマを見るには時間が足りないといったときに一気に見れる面白さだ。
「ジャックマン家のジキルとハイドな双子」という続編でもいいし、
「帰ってきたハイド」でもいいんだけど続編が製作されるようなら是非歓迎したい。

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[海外ドラマ]ダメージ シーズン1

ちょっと暑くてやる気がないなと思ってたら1ヶ月以上放置してた。
ウォーキングは何となく続いているけど朝が結構寒くなってきている。
LaLaTVの昼枠でダメージシーズン1の全13話を視聴。

ソフトシェル ダメージ シーズン1(4枚組) [DVD] ソフトシェル ダメージ シーズン1(4枚組) [DVD]
価格:¥ 4,980(税込)
発売日:2010-02-03

このパッケージにもコピーとして「騙されるな。」とある通り、
老獪な女弁護士が何重にも用意した黒い罠に翻弄される新人弁護士の話。
ただし脚本ではこの老獪な女弁護士が主人公らしい…という…。
原題のDAMAGESとは「被害、損害賠償額、代価」の意味。(Wikiより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)
[内容]
ニューヨーク市内で血まみれのコートの女性が保護された。
エレン・パーソンズというその女性は新人弁護士で、
彼女のアパートでは彼女の婚約者デイビッド・コナーが血まみれで死んでいた。
事件は彼女が大物弁護士事務所のパートナーであるパトリシア・ヒューズにスカウトされた半年前に遡る。
富豪とも言える実業家アーサー・フロビシャーとの訴訟に巻き込まれていくエレンだが、
自分がパティにスカウトされた理由を薄々と悟ると同時にパティに騙されそうになる自分に気付く。
フロビシャーの弁護士レイ・フィスク、
パティの腹心トム・シェイズ、
デイビッドの姉で事件に巻き込まれたケイティ・コナー、
ケイティの恋人で秘密を持つグレゴリー・マリーナと次々とエレンを惑わす人間が現れる。
やがて無数の裏切りを超えてエレン自身が被害者となり、理解した真相はシーズン2に波紋を投げかける。
エレンはパティが自分を殺そうとしたことにとっくに気付いていて、
パティはまだそれを知らないのだ。
ということで続きもの。
シーズン1はそれはそれで完結した脚本なのだけど、
全13話を見終わった時点でこの13話は未だ「発端」でしかないことに気付かされる。
エレンは当初は異常に華のない地味な女性というイメージから始まるけど、
最後にはパティと互角に争う恐ろしい策略家として描かれる。
キャストのローズ・バーンは新人弁護士の頼りなさをうまく演出しつつも最後には顔の影すら恐ろしく見える怪演のすごい女優。
天才子役がそのまま鬼才の女優として大成したのだなーと思う。
対してパティはマインドゲームを蛇のように楽しむ実力者として演出されるが、
エレンとの駆け引きでギリギリ勝っている最中にも実際には罪の意識に耐えかねて震えるなど人間くさい部分も見える。
キャストのグレン・クローズは映画一本女優だったのに、
このダメージの脚本に惹かれてTVドラマ初出演ということでとにかく凄みのある演技だった。
基本的には全ての人間に対して自分が有利になるように画策して進めるパティと、
持ち前の有能さや頑固な性格に隠れてそのパティの操作を読みきるエレンの一騎打ち。
だけど実際にはパティの敵はフロビシャー、エレンはパティにとっては道具でしかない。
そのことに気付いていたエレンはパティを陥れるためにパティの元へ戻る…という。
5話くらいまではあまり頭が良くないエレンの地味さにイライラしたり、
たまにカットインされるデイビッドの血まみれ死体が怖くてワクワクしたり、
その割に話が前進しないことで少し地味なリーガルドラマだなあと思っていた。
ただ最後の3話が本当に進行が早く、
特に見ているうちに大好きになっていたジェリコ・イヴァネク演じるレイ・フィスクがショッキングに自殺したりと、
思っていたより死人が増えてきて「ちょ、ちょっと待ってよー」な展開に。
パティは気付いていないかもしれない(気付いた描写がない)のだけど、
パティの意図を実はエレンが完全に読み取った上で好きなようにさせたりと
エレンがパティに近づくどころか超えているシーンもある。
人は信じられない、騙されたくないという若いエレンの全てが、
最愛の婚約者デイビッドの死体を目にしたときからパティの復讐へ向かったのだと気付かされるのもとても痛快だった。
とにかく小説で騙されているようなミスリードに気付く瞬間にこの脚本の面白さを痛感する。
反面、現在エレンが逮捕された時点から遡り、
現在と過去のエピソードを比較しながら行き来するというのは少し分かりにくかった。
演出として現在の映像は少しオレンジがかったモノクロームな色になるのでそれは分かるのだが、
頻繁に過去と現在を行き来するのでとにかく脈絡がないようにも思える。
ただDVDなどでぶっ通しで夢中になって見る場合にはミスリードを助長するからくりでもあるので、
きちんと全話意識して視聴する場合にはそれもまた面白さに含まれるかもしれない。
ただだらだらと話が流れる日本のドラマに慣れきった中高年には見づらいドラマだろうとは思う。
脚本の面白さが比較にならないので、あくまで何を求めてドラマを見るかという点での違いだけれど。
上記したとおり、この13話の最終回を経て未だ視聴者は出発点にしか立っていないと気付く。
エレンはフロビシャーに殺された自分の婚約者、パティに殺されそうになった自分のために
あえてパティの元へ戻り機会を待つのだ。
シーズン2でエレンは自分の幸せのためにパティを捕らえることができるのか?
という点がとても気になってシーズン2も楽しみになる。
しかしシーズン1でぱっとしないなあと思うところは結構多いのだけど、
シーズン2ではきちんと解決するのだろうか。
デイビッドを殺したフロビシャーの殺し屋は刑事だったけどきちんと裁かれるのかとか、
パティが差し向けてエレンを殺す予定で逆に殺された男の身元は?死体はどこに行った?とか、
トムは本当にパティの殺人命令に関わっていないのかとか、
ライラとデイビッドは本当に浮気していなかったのかとか、
それこそ小さな疑問を上げるとたくさんになってしまう。
シーズン2ではシーズン1で解明されなかった伏線を回収しつつ、
シーズン1以上の裏切りや騙し合いであっと言わせて欲しい。

[海外ドラマ]ドールハウス シーズン1

最終回まで見終わって「え?!コレシーズン2作るつもりなの?!」と思った。

ドールハウス DVDコレクターズBOX ドールハウス DVDコレクターズBOX
価格:¥ 10,920(税込)
発売日:2010-09-02

残念ながら寡聞にして「エリザ・ドゥシュク」という主演女優のことをよく知らなかったわけで、
このお姉さん、結構綺麗なんだけど口が半開きで「白痴」という単語が頭を過ぎってしまう…。
その演技がアクション人格とタブラ・ラサの判別を容易にしてくれているとも言えるけど。
【シーズン1内容】
裏世界に潜む秘密結社であるドールハウス。
「ドール」と呼ばれるエージェント達は自ら承知した上でドールハウスと契約を交わし、
自らの人格をアンインストールし「白紙状態(タブラ・ラサ)」と呼ばれる状態となって
依頼に応じた人格を刷り込み任務を達成する。
あるときは戦場を越える女スパイ、あるときは建物を知り尽くした女盗賊、
あるときは失った妻の人格を再現して理想の女として依頼者の前に現れる。
そのドールの一人であるエコーは、過去にドールハウスで起きた凄惨な残虐事件のただ一人の生き残り。
「アルファ」と呼ばれたドールの暴走事件はなかったこととされ、エコーはそのまま任務に投入され続けるが
エコーを取り巻く状況は次第に変化していく。
FBIの特別捜査官であるポールはエコーがドール化する以前にどんな人間であったか知り、
どうやらドールハウスの存在を暴こうとしているようだ。
人格変換技術の責任者であるトファー、ドールハウスの総責任者であるアデル、エコーの保護者であるボイドは
エコーを狙う存在に気付き始めるが、
ドールハウスを運営するロッサム社が人格変換技術をどんどん推し進めていくことに不安を覚える。
第一話はエコーと呼ばれる女性が一夜限りの理想的な女性人格として活動するラブロマンスから開始。
第十三話は世界中の人々がキリングマシーンと化し、人格を乗っ取られなかった人間を虐殺しまくる絶望脚本。
この差異はいったい…。
最後の一話で脚本が大幅に変更されちゃっているのかと解釈。
元々シーズン1は打ち切りの心配があったらしく、第十二話を想定内での最終回とし
第十三話は打ち切り時の放映用として製作されたものだと聞いて納得した。
本来第十三話のような話は本当の最終回か、番外編として製作されるような話だから。
でも逆に「ここまでドールハウスが人類に害をもたらすのか…」と絶句させられ、
いい意味で脚本の行方を知ることが出来た点についてはとても満足した。
キーは現在女性人格でありドールハウスの専属医師であるサンダース先生すらも
かつてドールであったところからだと思った。
ノベンバーがドールであることは簡単に推測できたし
その後電話を受けることによって人格が交代する仕組みも割と受け止めやすかったので
恐らくドールハウスの運営側にもアクティブなドールが紛れ込んでいることは分かっていたのだけども、
アルファという人格の行動の自由度の原因は
あまり説明されていなかった気がするので
サンダース=死んだサンダース医師の人格をインストールされたウイスキーという存在についてはとにかく不遇だなという印象。
死に場もなくトファーのように狂えもせずアデルのように責任を受け入れることもできず、
ただ未来まで人類の助かる道を模索するドールとして残されていたのは悲惨すぎる。
ボイドが逃げてしまったのも良く分からなかった。
もしかするとシーズン2への布石なのかもしれないが。
本作では主人公であるエコーよりも、同僚のドールであるシエラの変身っぷりがかなり面白かった。
シエラとビクターの関係の続きは結構気になるかもしれない。
またFBIでキャロラインのことを追いかけ続けていたポールが結果的にエコーの保護者になったのも面白い。
メリー=ノベンバーの扱いを見ている間は明らかにキャロラインに気をとられていて面白くなかったが、
ボイドとの戦いを経てドールハウスの存在を受け入れるようになってからはとても影が薄い気がした。
結局アルファに消された人格の殆どはバックアップがあったが役に立たなかった、というように解釈したが
本来の人格が戻されないという点はシーズン2ではどのように扱われるのだろうか。
例えばアルファはオメガという複数人格を蓄積して人知を超える悪の力を手にするが、
同じくオメガをインストールされたエコーはアルファと同じような思考には至らず善の道を模索する。
ここは「本来のオリジナルの魂」を題材にしたがっているように見えたが、
結局時間切れで詳しい部分まで説明されなかった。
この点についてはシーズン2で第十三話の脚本を覆す可能性があっても結論を出して欲しいと思う。
トファーについては本人の担当就任から人類の滅亡危機まで、
結局この研究者の想像を絶する優れた脳は善悪の区別がつかなかったんだなと思った。
ただそれは悪いことではなくとてもトファーらしい。
いつも自分の発見や発明に夢中になっていてドールとも人間味を持って接することができるキャラクターがとても好きだった。
残念ながら、自分の罪の重さや発明したものの恐ろしさに気付いて子供返りしてしまったが
自信満々に踏ん反り返りながらインストール人格のチューニングをする姿をまた見せて欲しい。
作品としては、キャストがそれほど多くないにも関わらず
人格交代のバリエーションが多いことやオリジナル人格の再現などが絡みとてもややこしい。
オリジナル⇒ドールとしての名前⇒業務用人格の名前(複数)を覚えるのもとても大変だし、
キャストの演技がとても優秀なせいか業務用人格インストール語の表情や演技まで皆違ってきてしまい
毎回人物像を把握するのがとても煩雑だと感じた。
これはストーリーが進むことで解消できる点もあると思うが、
せめてPreviousStoryの際に顔と名前が一致するような字幕があると嬉しい…。
題材としては人格の入れ替えという未だ実現していない技術を扱ったり、
インストールされた人格によってもたらされるアクション要素がとてもよかった。
カンフーの達人の人格をインストールするとカンフーができるとか、
情報分析専門家の人格をインストールすると情報分析ができるとか、
ご都合主義といわれても仕方ない部分はあるがその商品価値はとても頷ける。
ただそれが人類の滅亡危機に繋がる、というのはとても壮大な気がする。
サンダーバードがトンネルをくぐったらスターウォーズになっていたというくらいのスケールの違い。
それでも現代・未来の脚本は各々なりに面白かった。
第十三話のラスト、
暴走しかけた幼女の体に無理矢理蘇らせられてしまった「キャロライン」が
かつての自分(エコー)の写っている写真を手に取り
「わたしのボディは無事かしら」と呟くシーンはとても象徴的だった。

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[海外ドラマ]Glee Kurt- A House Is Not A Home

古典から最新の流行音楽まで、
キャストが歌い倒してしまうアメリカンドラマ「Glee」。
日本人がこういう企画をドラマ化するとどうもうそ臭い上にかっこ悪いと思うけど、
かわいいキャストにきらきらした瞳で圧倒的な歌唱力を見せ付けられるととても嵌る。
外人さんはとても絵になるなと思う。
自己実現がうまいのかな。
劇中の少年Kurtはゲイを自覚するモヤシ男。
お洒落とスキンケアに気を配り、ブランド物を着こなし、学校の人気者になりたいと願っている。
見た目はモヤシだが、フットボール部できっちりゴールを決めてしまうような気まぐれな才能も。
その美しいカウンターテノールで、女性が歌うパートを奪ってしまう場面もある。
Kurtはシーズン1の後半では同じGleeに所属するFinnに恋をしていて、
Finnとの距離を縮めるために妻を亡くした自分の父と、夫を亡くしたFinnの母をくっつけようと画策。
これが見事に成功しFinnとKurtは同居になってしまいそうという回。
Kurtがそのカウンターテノールでソロを歌った曲が「A House Is Not A Home」。
ディオンヌ=ワーウィックの往年のヒット曲でよく歌われるスタンダードナンバーとなったようだが、
わたしはそれよりもバート=バカラックの作曲という部分に感動した。
バート=バカラックは日本でも一時期ときの人となった。
美しい旋律とそれを支えるジャズ的技法によるバックバンドのハーモニー、
叙情的な和声の進行と凝ったリズムが新しかったらしく、
わたしが生まれる遥か以前に飛ぶように売れた曲たち。
その中でも離婚した男女をモチーフとした「A House Is Not A Home」がこのようにGleeに使用されるとは思っておらず、
改めてその旋律の洗練された響きや盛り上げ方に感動した。



YouTube: “Glee” Home- A House Is Not A Home

Gleeの作中で古典音楽ばかりを使えとは思わないが、
やはりキャストが歌っているのを聞くことばかりなので開放感のある曲が気持ちいい。
歌詞もとてもすばらしいと思う。
——————————————
A chair is still a chair
Even when there’s no one sitting there
But a chair is not a house
And a house is not a home
When there’s no one there to hold you tight,
And no one there you can kiss good night.
A room is still a room
Even when there’s nothing there but gloom;
But a room is not a house,
And a house is not a home
When the two of us are far apart
And one of us has a broken heart.
Now and then I call your name
And suddenly your face appears
But it’s just a crazy game
When it ends it ends in tears.
Darling, have a heart,
Don’t let one mistake keep us apart.
I’m not meant to live alone. turn this house into a home.
When I climb the stair and turn the key,
Oh, please be there still in love with me.
椅子は誰も座る人がいなくなったって
未だ椅子のまま
でも椅子は家じゃないし
家は我が家ではなくなっている
貴方をぎゅっと抱きしめる人がいないなら、
おやすみのキスをする人だっていないなら
部屋は誰も明かりを付ける人がいなくたって
未だ部屋のまま
でも部屋は家じゃないし
家は我が家ではなくなっている
わたしたち2人が遠く離れ離れなら、
わたしたちの片方が傷心でいるのなら
今だっていつだって貴方の名前を呼ぶから
突然貴方の思い出が顔を出す
でもそれは単なる馬鹿げた遊び
涙のうちに全て終わってしまうだろうに
愛しい人よ心があるなら
わたしたちのように離れる過ちを誰かと犯さないで
一人きりで生きていくつもりじゃなかった
この家を我が家に戻そう
わたしが階段を登りキーを開けたなら
どうかそこに居てわたしを愛したままで居て
(和訳はテキトーです…)

[海外ドラマ]めもめも

■FOX
・レバレッジ シーズン1終了。シーズン2ありそう?
・Glee シーズン1後半放映中。シーズン3の製作まで決定したとのこと。
・24 シーズン7放映中。ファイナルシーズンの後は映画化決定したとか?
・ドールハウス シーズン1放映中。佳境。
・ゴースト 天国からのささやき シーズン5。ジム死んだけど死んだ意味ないらしい。
・キャッスル シーズン1がいつのまにか終わっていた。シーズン2打ち切り説。
・バーンノーティス吹き替え版の放映開始。
・アメリカンダンスアイドルシーズン5の放映開始。過去最高レベルといううわさ。
・Dr.HOUSEシーズン5放映開始。ウィルソンがいなくてハウスは普通に暮らせるんでせうか。
・NCIS シーズン6。リー捜査官はいつ悪いことするの?
・BONES シーズン5待ち。ブースの記憶喪失から開始らしい。
・アリソンデュボア シーズン4待ち。
・プリズンブレイクの放送はいつなの…。
■super! dramaTV
・クリミナルマインド シーズン1放映終了。続きはいつ…。
・スーパーナチュラル シーズン4終了でシーズン5開始。シーズン6の製作決定とのこと。おめでと!
・メンタリスト シーズン1。あまり見れていないので見やすい時間帯の再放送を望む。
・ソプラノズ シーズン6。ラストが衝撃映像すぎたという話を聞いたので再放送でじっくり見たい。
・セイント/天国野郎。1962年イギリス製作。若き日のロジャー・ムーアが男前すぎて面白い。
・HEROES ファイナルシーズン。ヒロ死すとティーバッグ出演が楽しみ。
・バトルスターギャラクティカ。全然見れませんでした…。
・ダーティセクシーマネー シーズン2。今最も熱いドラマ。しかし経費がかかりすぎて打ち切りになったと言う。
・ローズレッド。面白いんだけど長かった。
■AXNミステリー
・WHITE COLLAR シーズン1終了。どうやらシーズン2はアメリカで7月13日から放映開始らしい。
・名探偵モンク5。ファイナルシーズンでナタリーとシャローナの一騎打ちが見られると聞いて楽しみ。
・プリズナーNO6。全然見れていない。
・生存者シーズン2。全然見れる気がしない。
・アダム=ダルグリッシュ。かなり面白いらしいが見れる時間帯に放映してくれ。
・リンリー警部追加編。相変わらず上品だった。
・フロスト警部。昔の作品の再放送も面白い。
・11月の陰謀。ぶっ通しで見たにも関わらず全く意味が分からなかった。長すぎて半分くらい意識がなかった。
■番外
・デクスター原作。とても読みたいです^q^

[海外ドラマ]Life -真実へのパズル-

気が付いたら6月に突入し、Travian jp5も終盤になっていた。あぶないあぶない。
やっと最終回を見ることが出来た。
AXNミステリーチャンネル 『Life – 真実へのパズル – 』
H2_top
簡単なあらすじ。
———————————————————-
チャーリー・クルーズは以前は警官でありながら、友人とバーの経営をしていた。
その友人の一家が惨殺される事件が起き、クルーズは逮捕され刑務所へと送られる。
12年間の刑務所生活で”ZEN”(禅)に触れながら過ごす中
DNA鑑定による冤罪という事実が改めて分かり、
莫大な補償金を得た上でクルーズは刑事として復帰する。
自分を冤罪に陥れた存在を知り、真実を手に入れるためクルーズは日々単独捜査を続けることとなる。
刑事の相棒であるダニ・リースの父親は以前は刑事でこの事件に関わっているようだ。
刑務所仲間で財務に詳しいテッドや警備会社の女社長の協力を経て、
クルーズは警察OBのレイボーンが事件の鍵であることを突き止める。
———————————————————-
聞いた話によると
シーズン1ではストライキで撮影が止まりそうなのを無理矢理強行、
シーズン2ではリース役のサラ・シャヒが妊娠、脚本も複線を回収することなく打ち切り
ということで非常に不遇なドラマという印象。
事前設定が「12年も冤罪で刑務所に入っていた刑事」というオイシイものなので
劇中でもその撮影事情が全く気にならないほど面白かったけど。
基本的にはチャーリーが殺人犯とされたトム・シーボルト一家殺害事件を追いつつ
毎回オムニバス形式で一話完結の事件解明型ドラマだったので、
冤罪事件のことを追いながら新しい捜査を見ることで色々と楽しめた。
アメリカ人から見た「禅」の概念は非常にひねくれたものが多いものの、
この番組での取り扱い方は非常に正常な解釈に近いと感じた。
ダミアンの演技に拠るところが大変大きいと思うが、
冤罪で服役することとなった男の空っぽさ、空虚でありながら破綻せずに世界を認識している感じがよく出ている。
脚本はラストが打ち切りのため詰め込み感は否めない。
ただ評判ほど悪い感じは受けなかった。
なによりヘッドハンティングの失敗という間抜けな警察とマフィアの絡みという話は面白い。
本筋(冤罪事件の解明)も非常に面白かったけど、
オムニバスで解決される1話1話の話も毎回とても面白かった。
シーズン2からはチャーリーとリースの仲を裂くように現れるティドウェル上司だけど、
この人がいることで相棒同士がぎくしゃくしたりコメディタッチになる。
かといって無様な無能というわけではないので色々見所がある。
脇役に徹したテッド、ジェニファー(前妻)、オリヴィア、レイチェルなどもキャラが立っていて面白かった。
レイチェルは反抗期なのか、もっと同居してくれていたら良かったなー。
テッドの娘のエピソードの回はかなり面白い。
今のところAXNミステリチャンネルでの再放送予定がないようで非常に惜しい。
DVDで見返したい作品だが、海外版のDVDしかないようなので日本の再生機器で見られるかどうかは不明。
禅やら警察用語やらで翻訳が非常に難しそうなセリフが多いが、もっと細部までチェックしたい。

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[海外ドラマ]最近のみどころ

【Glee】
まず2009年に全米大ヒットした「Glee」のサントラを買いましたが、
このドラマは複雑な出来上がりで
シーズン1が終了したにも関わらず継続を望む声が多すぎて
シーズン1後半という名目でアメリカで放映が再開されました
何このテレビ力。
『ケイゾク』『踊る大捜査線』『TRICK』などの商戦を思い出したのは内緒…。

またサントラ買わないとダメじゃん…。
とにかく出演者全員歌がうまいので見ててストレスがないです。
同時並行してアメリカンアイドル9を見ていて、やはり荒削りな出演者にたまにイラっとしてたりする反動だろうな。
【White Collar】
邦題は「天才詐欺師は捜査官」らしい。
マット・ボマーが非常にハンサムとしか言いようがないだけのドラマかと思っていたんだけど、
シナリオがよじれてきて結構面白くなってきた。

どう考えてもかっこいいだろ常識的に考えて。
話は結構シンプルなもの。
希代の詐欺師ニール・キャフリーは長年追ってきたFBI捜査官のピーター・バークに捕まるが、
ニールの恋人であったケイトがニールの元を去ってしまった。
ケイトの身を案じたニールは脱獄してまでその行方を捜すが、
その後を追ってきたピーターからコンサルタントにならないかという話を持ちかけられる。
FBIのコンサルタントになればGPSで3km四方しか歩き回れないにしろ自由を手に入れられると思ったニールは
ピーターと信頼関係を築きながら犯罪コンサルタントとして協力するようになる。
だが、ニールの本当の狙いはケイトの行方を追うことだった。
みたいな。
このニール・キャフリーの詐欺っぷりがかなり面白く、
絵画複製もできれば筆跡トレースもお手の物、
一般人をだますどころか悪党との取引も簡単にこなせちゃうという恐ろしい詐欺師。
でも周りの人は詐欺師だということを知ってなおこのキャラクターを愛している節もあるし、
詐欺師の割に実直な性格として描かれているように思う。
何よりせこいところがないというか、
スマートかつ騙された側が恥ずかしくて仕方ないというような綺麗な収束が多くて見所いっぱい。
シナリオは大分風向きが変わってきて、
ケイトを監禁している男はピーターではないのか?という疑惑とか
ケイトは本当はニールを騙そうとしているだけではないのか?という疑惑とか
とにかく騙しあいなので一話ごとに簡単に矛先が変わってしまう。
シーズン2の放送も決定したらしいので是非継続して見たい。
【Leverage】
WHITE COLLARと同様に詐欺師物だけど趣旨がかなり違う。
主に報復を請け負う仕事人たちの話。
リーダーで詐欺立案、計画担当のネイト。
普段は大根女優だが一度スイッチが入れば恐ろしい詐欺女優のソフィー。
IT担当、たまには肉体派のふりもできちゃうぜなハッカーのハーディソン。
潜入、変装、爆弾破壊が得意でお金が大好きなパーカー。
元軍人で肉弾戦はお手の物、戦うコックさんのエリオット。
という詐欺師5人が「レバレッジ」という報復のための組織となって
依頼者の敵討ちの手助けをするという若干西部劇っぽいお話。
ネイトの役のティモシー・ハットンについては良く知らなかったんだけど、
ネロ=ウルフの探偵助手をやっていた人だったのね…。
当時は相当若くて細い感じだったのに貫禄が出てる。
エリオット役のクリスチャン・ケインが相当かっこいいです。
でも何で包丁振り回して料理してるときが一番幸せそうなキャラなの…。

まあ日本で言うなら『勧善懲悪』物。
ただ当初は冷静に計画を進める詐欺師たち、というイメージだったものの
回を重ねるにつれて見通しが外れたりトラブルに見舞われたりと
計画を中断せざるを得ない場面が多くなってきてハラハラ。
大分コメディーの要素があってホームドラマ的な和み演出はわざとなのかもしれない。
最近では誘拐されたロシア人の孤児たちをパーカーちゃんが連れ出そうとするシーンで、
一生懸命ロシア語で連れ出そうとするんだけどうまく行かなくて
『ハーゲンダッツ』と言った瞬間狂喜乱舞した子供たちが一斉に付いてくるシーンが面白かった。
ハーゲンダッツは世界公用語なんですね…。