[海外ドラマ]ダメージ シーズン1

ちょっと暑くてやる気がないなと思ってたら1ヶ月以上放置してた。
ウォーキングは何となく続いているけど朝が結構寒くなってきている。
LaLaTVの昼枠でダメージシーズン1の全13話を視聴。

ソフトシェル ダメージ シーズン1(4枚組) [DVD] ソフトシェル ダメージ シーズン1(4枚組) [DVD]
価格:¥ 4,980(税込)
発売日:2010-02-03

このパッケージにもコピーとして「騙されるな。」とある通り、
老獪な女弁護士が何重にも用意した黒い罠に翻弄される新人弁護士の話。
ただし脚本ではこの老獪な女弁護士が主人公らしい…という…。
原題のDAMAGESとは「被害、損害賠償額、代価」の意味。(Wikiより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)
[内容]
ニューヨーク市内で血まみれのコートの女性が保護された。
エレン・パーソンズというその女性は新人弁護士で、
彼女のアパートでは彼女の婚約者デイビッド・コナーが血まみれで死んでいた。
事件は彼女が大物弁護士事務所のパートナーであるパトリシア・ヒューズにスカウトされた半年前に遡る。
富豪とも言える実業家アーサー・フロビシャーとの訴訟に巻き込まれていくエレンだが、
自分がパティにスカウトされた理由を薄々と悟ると同時にパティに騙されそうになる自分に気付く。
フロビシャーの弁護士レイ・フィスク、
パティの腹心トム・シェイズ、
デイビッドの姉で事件に巻き込まれたケイティ・コナー、
ケイティの恋人で秘密を持つグレゴリー・マリーナと次々とエレンを惑わす人間が現れる。
やがて無数の裏切りを超えてエレン自身が被害者となり、理解した真相はシーズン2に波紋を投げかける。
エレンはパティが自分を殺そうとしたことにとっくに気付いていて、
パティはまだそれを知らないのだ。
ということで続きもの。
シーズン1はそれはそれで完結した脚本なのだけど、
全13話を見終わった時点でこの13話は未だ「発端」でしかないことに気付かされる。
エレンは当初は異常に華のない地味な女性というイメージから始まるけど、
最後にはパティと互角に争う恐ろしい策略家として描かれる。
キャストのローズ・バーンは新人弁護士の頼りなさをうまく演出しつつも最後には顔の影すら恐ろしく見える怪演のすごい女優。
天才子役がそのまま鬼才の女優として大成したのだなーと思う。
対してパティはマインドゲームを蛇のように楽しむ実力者として演出されるが、
エレンとの駆け引きでギリギリ勝っている最中にも実際には罪の意識に耐えかねて震えるなど人間くさい部分も見える。
キャストのグレン・クローズは映画一本女優だったのに、
このダメージの脚本に惹かれてTVドラマ初出演ということでとにかく凄みのある演技だった。
基本的には全ての人間に対して自分が有利になるように画策して進めるパティと、
持ち前の有能さや頑固な性格に隠れてそのパティの操作を読みきるエレンの一騎打ち。
だけど実際にはパティの敵はフロビシャー、エレンはパティにとっては道具でしかない。
そのことに気付いていたエレンはパティを陥れるためにパティの元へ戻る…という。
5話くらいまではあまり頭が良くないエレンの地味さにイライラしたり、
たまにカットインされるデイビッドの血まみれ死体が怖くてワクワクしたり、
その割に話が前進しないことで少し地味なリーガルドラマだなあと思っていた。
ただ最後の3話が本当に進行が早く、
特に見ているうちに大好きになっていたジェリコ・イヴァネク演じるレイ・フィスクがショッキングに自殺したりと、
思っていたより死人が増えてきて「ちょ、ちょっと待ってよー」な展開に。
パティは気付いていないかもしれない(気付いた描写がない)のだけど、
パティの意図を実はエレンが完全に読み取った上で好きなようにさせたりと
エレンがパティに近づくどころか超えているシーンもある。
人は信じられない、騙されたくないという若いエレンの全てが、
最愛の婚約者デイビッドの死体を目にしたときからパティの復讐へ向かったのだと気付かされるのもとても痛快だった。
とにかく小説で騙されているようなミスリードに気付く瞬間にこの脚本の面白さを痛感する。
反面、現在エレンが逮捕された時点から遡り、
現在と過去のエピソードを比較しながら行き来するというのは少し分かりにくかった。
演出として現在の映像は少しオレンジがかったモノクロームな色になるのでそれは分かるのだが、
頻繁に過去と現在を行き来するのでとにかく脈絡がないようにも思える。
ただDVDなどでぶっ通しで夢中になって見る場合にはミスリードを助長するからくりでもあるので、
きちんと全話意識して視聴する場合にはそれもまた面白さに含まれるかもしれない。
ただだらだらと話が流れる日本のドラマに慣れきった中高年には見づらいドラマだろうとは思う。
脚本の面白さが比較にならないので、あくまで何を求めてドラマを見るかという点での違いだけれど。
上記したとおり、この13話の最終回を経て未だ視聴者は出発点にしか立っていないと気付く。
エレンはフロビシャーに殺された自分の婚約者、パティに殺されそうになった自分のために
あえてパティの元へ戻り機会を待つのだ。
シーズン2でエレンは自分の幸せのためにパティを捕らえることができるのか?
という点がとても気になってシーズン2も楽しみになる。
しかしシーズン1でぱっとしないなあと思うところは結構多いのだけど、
シーズン2ではきちんと解決するのだろうか。
デイビッドを殺したフロビシャーの殺し屋は刑事だったけどきちんと裁かれるのかとか、
パティが差し向けてエレンを殺す予定で逆に殺された男の身元は?死体はどこに行った?とか、
トムは本当にパティの殺人命令に関わっていないのかとか、
ライラとデイビッドは本当に浮気していなかったのかとか、
それこそ小さな疑問を上げるとたくさんになってしまう。
シーズン2ではシーズン1で解明されなかった伏線を回収しつつ、
シーズン1以上の裏切りや騙し合いであっと言わせて欲しい。